福岡高等裁判所宮崎支部 昭和25年(う)608号 判決
関税法第八十三条第一項において、同法第七十四条、第七十五条若しくは第七十六条の犯罪の用に供したる船舶にして犯人の占有にかかるものは、これを沒収する旨規定する所以のものは、関税法違反に対する制裁を徹底せしめる趣旨であるから、その占有は必ずしも所論のように民事法上の自主占有に限るものではなく、正当な権原に基づき、事実上その船舶を支配する場合を広く包含するものと解しなければならない。船長は船主との契約及法律の規定によつてその船舶に関する広範囲の法律上及び事実上の支配権を与えられたものであつて、その船舶を用いて関税法第七十四条乃至第七十六条の罪を犯した場合には、本条による占有者としてその船舶は沒収されるべきものと解するのが相当である。